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RESAS(地域経済分析システム)による地域の経済動向分析について

当所では、国が提供する「地域経済分析システム(RESAS)」を活用し、光市の人口動態や産業動態などの地域経済動向の調査・分析を行いました。(2026.6月時点)
なお、調査・分析結果は下記のとおりとなります。


光市の現状分析サマリー(RESASデータに基づく)

01.人口構成分析 - 人口推移
人口構成分析 - 人口推移

山口県光市の1980年から2050年までの人口推移グラフです。
青線の総人口は1985年の約5.8万人をピークに減少が続いており、2050年には約3.4万人まで落ち込むと推計されています。
黄線の生産年齢人口(働き手)の減少が最も顕著で、グラフ後半に向けて右肩下がりに急減します。一方、赤線の老年人口は2020年頃まで右肩上がりに増加し、以降は高止まりします。全体として「急激な人口減少」と「少子高齢化」が同時に進行する姿が示されています。

02.人口構成分析 - 人口ピラミッド
02人口構成分析 - 人口ピラミッド_R
山口県光市の2020年と2050年の人口ピラミッド比較グラフです。
30年間で少子高齢化が一段と加速する予測を示しています。2020年に45〜49歳だった塊ジュニア世代が75〜79歳に達するため、2050年には頭でっかちな逆三角形の形状へ変化します。結果として、生産年齢人口(働き手)は過半数を割り込んで約1.6万人へ急減する一方、老年人口(高齢者)の割合は市民の4割を超える43.24%まで跳ね上がります。

03-1.産業構造分析 - 産業構成
03-1産業構造分析 - 産業構成_R
2021年の「売上金額」における、光市・山口県・全国の産業構成割合を比較したグラフです。
光市(青)は「製造業」が約25%、「卸売業・小売業」が約23%と、上位2業種で全体の約半分を占めます。全国平均と比べて「建設業」の割合が突出して高い一方、「卸売業・小売業」や「金融業・保険業」は県・全国平均を下回ります。基幹産業であるものづくり(製造・建設)への依存度が非常に高い地域特性が示されています。

03-2.産業構造分析 - 付加価値額の構造分析
03-2産業構造分析 - 付加価値額の構造分析_R
2021年の光市における、従業者数と労働生産性から見た付加価値額の構造グラフです。
面積(従業者数×労働生産性)が最大の「医療、福祉」が約114億円と、地域で最も付加価値を生み出しています。また「製造業(約61.8億円)」や「建設業(約51.9億円)」は、県の平均労働生産性を上回る強みを持っています。従業者数が多い「卸売業、小売業」は生産性がやや低く、業種ごとの構造的課題と強みが可視化されています。

04.事業所立地分析 - 選択地域の産業別推移
04事業所立地分析 - 選択地域の産業別推移_R
光市役所を中心に半径5km圏内における、主要産業の事業所数推移(2011年〜2024年)のグラフです。
全体として減少傾向にあり、特に「販売・卸(水色)」は2011年の約300社から右肩下がりに急減し、200社を割り込んでいます。「その他サービス(青)」は緩やかな減少を経て近年は横ばいとなり、シェア1位に浮上しました。「パブリック」「建設・工事」「メディカル」も長期的に微減か横ばいで推移しています。

05-01.観光地分析
05-01観光地分析 - 選択地域のグラフ_R

2024年の選択地域1(光市)における「滞留人口ピラミッド」のグラフです(総数約964万人)。
来訪・滞留する層の年齢構成を示しており、男女ともに「60代以上」が突出して多く、全体の大部分を占めているのが最大の特徴です。次いで40代、50代が続きますが、30代や20代以下の若年層の割合は極めて低く推移しています。この地域への人流や観光・ビジネスにおける主要顧客層が、シニア層へ著しく偏っている現状が読み取れます。


05-02.観光地分析
05-02観光地分析 - 選択地域のグラフ_R

2024年の選択地域1(光市)における「滞留人口の属性構成」を示すグラフです。
性別は女性が50.1%、男性が41.0%とやや女性優位です。年代構成では「60代以上(水色)」が63.0%と圧倒的なシェアを占め、シニア層中心の人流であることが分かります。また、居住地構成では「同一市区町村内(青)」が92.5%と大半を占めており、他都道府県や他市町村からの観光客よりも、地元の住民が圧倒的に多く集まる地域特性を示しています。

06-01.宿泊者分析 - 居住都道府県別に見る
06-01宿泊者分析 - 居住都道府県別に見る_R

2024年の光市における、日本人延べ宿泊者数(14,918人)の居住都道府県別割合です。
トップは地元「山口県(17.33%)」、2位に「広島県(16.30%)」、3位に「福岡県(10.65%)」と続き、隣接・近隣県からの宿泊者が全体の4割以上を占めています。一方で、大阪府、千葉県、愛知県、神奈川県、東京都といった三大都市圏からの宿泊者もそれぞれ5〜6%台で上位にランクインしており、近隣需要と都市圏需要が混在しています。

06-02.宿泊者分析 - 居住都道府県別に見る
06-02宿泊者分析 - 居住都道府県別に見る_R
光市における日本人延べ宿泊者数の、上位5府県別推移(2013〜2024年)です。
地元「山口県(青)」からの宿泊が2021〜2022年にかけて約6千人と突出して急増したものの、その後は急減し、2024年には他県と同水準の約2.6千人に落ち着いています。近隣の「広島県(緑)」や「福岡県(黄)」、遠方の「大阪府(赤)」「千葉県(水色)」は、過去の局所的な急増期(2014〜2015年等)を経て、近年は1千〜2千人台の安定した推移を示しています。

07-01.宿泊者分析 - 属性別に見る
07-01宿泊者分析 - 属性別に見る_R
光市における属性別の延べ宿泊者数(総数)の推移(2013〜2024年)です。
2014年をピークに減少傾向となり、近年は総数1.5万人前後で横ばいとなっています。最大の特徴は「大人(男性:黄)」の割合が常に高く、全体の過半数を占め続けている点です。「大人(女性:緑)」は全体の約3〜4割で推移し、「小人(青)」の宿泊は極めて少数です。ビジネスや作業員等の男性中心の宿泊需要が、地域のベースを支えている現状が読み取れます。

08-01.地域ビジネス環境分析
08-01地域ビジネス環境分析_2026-06-05-01_R

山口県光市の2020年から2050年にかけての将来人口増減を示すグラフと表です。
総人口は30年間で約1.5万人減の34,459人へ減少(減少率-30.8%)する見込みです。特に「年少人口(-43.1%)」と「生産年齢人口(-36.7%)」の落ち込みが激しく、社会の担い手や子どもが急減します。「老年人口」も人数自体は微減(-16.5%)しますが、現役世代の減少により全体に占める高齢者の割合は大幅に上昇する予測です。

08-02.地域ビジネス環境分析
08-02地域ビジネス環境分析_2026-06-05-02_R

光市の「生活関連ビジネスの業種別動向(2016/2021年)」のデータです。
生活関連ビジネスでは「織物・衣服」「飲食店」などの事業所数・従業者数が減少傾向にあります。一方で、高齢化に伴う需要増を背景に「社会保険・社会福祉・介護事業」の従業者数は1,807人へと大きく増加しています。

08-03.地域ビジネス環境分析
08-03地域ビジネス環境分析_2026-06-05-03_R

光市の「地域住民の消費状況(2010〜2022年)」のデータです。
将来的に市民の4割以上が高齢者となる人口構造の変化を背景に、足元の経済では購買力の「地域外への流出」が課題となっています。域内消費(水色)は1,075億円(2022年)と微増傾向にあるものの、域外への流出額(白色)も493億円へ拡大し、支出流出入率は-31.5%と悪化しています。地元消費をいかに繋ぎ止めるかが重要です。

09.地域経済循環分析 - 地域経済循環分析
09地域経済循環分析 - 地域経済循環分析_R

2022年の光市における「地域経済循環分析」の全体像を示す図です。
地域経済の自立度を表す地域経済循環率は193.6%と極めて高く、製造業を中心とする第2次産業の強固な生産基盤(付加価値額1人当たり全国7位)が所得(分配)を力強く支えています。一方で、分配された所得が地域の外へ逃げてしまう民間消費の「支出流出入率」は-31.5%(全国1,609位)と低く、域内消費の底上げが大きな課題です。

10-01.生産分析 - 地域内産業の構成を見る
10-01生産分析 - 地域内産業の構成を見る_R

2022年の「生産額(総額)」における産業3区分構成割合を比較したグラフです。
指定地域(光市:一番上)は、青色で示された「第2次産業」が全体の約9割(90.7%)と圧倒的な大半を占めています。山口県平均(約62%)や全国平均(約42%)と比較してもその割合は突出して高く、ものづくりをはじめとする工業・製造業が地域の経済・生産活動を強力に牽引している極めて特色ある産業構造が読み取れます。

10-02.生産分析 - 地域内産業の構成を見る
10-02生産分析 - 地域内産業の構成を見る_R

2022年の「第2次産業」の生産額内訳を比較したグラフです。
指定地域(光市:一番上)は、青色の「化学」が全体の約半分(53.4%)を占め、次いで緑色の「鉄鋼(32.2%)」が続くのが大きな特徴です。この2業種だけで第2次産業の8割以上を占めており、山口県平均や全国と比べても偏りが顕著です。光市の強固な経済基盤が、基礎素材型産業である化学と鉄鋼の二大巨頭によって支えられていることが分かります

10-03.生産分析 - 地域内産業の構成を見る
10-03生産分析 - 地域内産業の構成を見る_R

2022年の「第3次産業」の生産額内訳を比較したグラフです。
指定地域(光市:一番上)は、黄緑色の「医療、福祉(26.7%)」がトップで、次いで紫色の「不動産(19.6%)」、青色の「卸売、小売(14.0%)」が続く構成です。山口県平均や全国平均と比較して、医療・福祉や不動産の割合が明確に高い一方、卸売・小売や飲食・宿泊などの商業関連シェアが低い、生活インフラ型・シニア需要依存型のサービス構造が読み取れます。

11.生産分析 - 産業別の分布を見る
11生産分析 - 産業別の分布を見る_R

2022年の光市における産業別の「特化係数(生産額)」を示すグラフです。
「化学(12.51)」が全国平均と比べて突出して高く、地域を代表する圧倒的な特化産業であることが分かります。次いで「鉄鋼(4.89)」も高い特化を示しており、この2つの基礎素材型産業が地域の生産活動の強固な核となっています。一方で、それ以外の多くの業種は1未満(全国平均以下)に留まり、特定産業への依存度が極めて高い構造です。

12-01.分配分析 - グラフ
12-01分配分析 - グラフ_R
2022年の「1人当たり雇用者所得」の産業別比較グラフです。
指定地域(光市:青)は、全体平均で319万円と山口県や全国を上回っています。特に「複合サービス事業(538万円)」や「電気・ガス・水道(504万円)」、「製造業(417万円)」で県・全国平均を大きく超える高い所得水準を実現しています。地域の主軸である製造業をはじめ、特定のインフラ・サービス業が住民の安定した所得基盤を支えている構造が分かります。

12.分配分析 - グラフ
12-02分配分析 - グラフ_R

2022年の山口県光市における「総所得(総額)」の構造を示したグラフです(赤色強調部分)。
住民が受け取る「地域住民ベース(青)」の所得に比べ、市内の事業所で働く人が稼ぐ「地域内勤務者ベース(緑)」の所得が2倍近く大きいのが最大の特徴です。その結果、差し引きの「地域内収支(黄)」は大幅なマイナス(赤の下向き棒)となっており、市内の強固な製造業等で生み出された莫大な所得が、市外へ通勤する労働者を通じて流出している現状が分かります。

13.まとめ
(1) 人口構造:急速な少子高齢化の進行
人口減少予測: 2050年には総人口が約3.4万人まで減少する見込み。
高齢化の加速: 年少人口(0〜14歳)および生産年齢人口(15〜64歳)の割合が減少を続ける一方、老年人口(65歳以上)の割合は43.24%に達すると予測されており、労働力不足やシニア向けサービスの需要拡大が確実視される。

(2) 産業構造と経済循環:高い生産性と「消費の流出」
製造業主導の経済: 光市の生産額の約9割を製造業を中心とした第2次産業が占める。
高い経済循環率: 地域経済循環率は193.6%と非常に高い水準を記録。これは、域内の産業が極めて高い付加価値と所得を生み出していることを示している。
域外への消費流出: 所得水準は高いものの、支出流出入率は-31.5%となっており、市民の消費行動が周辺自治体など「域外」へ大きく流出している点が最大の課題である。

(3) 人流特性:地元密着とシニア中心の動向
来訪者の属性: 観光・ビジネスを問わず、光市を訪れる層はシニア層(高齢層)が中心。
移動範囲の限定: 来訪者の大部分が「同一市区町村内」の居住者であり、広域からの誘客よりも、近隣・地域住民のローカルな移動が中心の構造となっている。

14.今後のポイント
(1)地元消費の繋ぎ止め(購買力の還流)
製造業がもたらす高い所得を域内で消費してもらうため、ITツールやデジタル販促(デジタルクーポン等)を活用した、地元小売・サービス業の魅力向上および需要創出支援が必要。

(2)シニア市場への最適化とBtoCビジネス支援
人口の4割以上がシニア層となる未来を見据え、移動販売や高齢者向け生活支援サービスなど、生活に密着したスモールビジネスの創業・事業転換支援の強化。

(3)労働力不足への備えとデジタル化(DX)推進
生産年齢人口の減少に対応するため、地元中小企業の省力化投資やデジタルツールの導入、業務効率化の伴走支援をさらに加速させる必要がある。

  • 更新時間
  • 2026-06-25
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